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BITPOINTの6暗号資産取扱廃止を解説――VCTRADE統合と保有者対応
BITPOINTがBNB・DEP・JMY・OSHI・PEPE・TRUMPの取扱いを廃止する背景を、VCTRADEへの統合、代替取引所、保有者対応、税務、将来シナリオから整理します。
確認日:2026-09-04 JST
サマリー
BITPOINTは、BNB・DEP・JMY(JASMY)・OSHI・PEPE・TRUMPの6銘柄について、2026年10月28日13時をもって取扱いを廃止する。
今回の6銘柄は、いずれも「BITPOINTでは取り扱っているが、統合先のVCTRADEでは取り扱っていない銘柄」と一致する。このため、6プロジェクトに共通の信用事故や規制上の禁止が生じたというより、2026年末に予定されているBITPOINTからVCTRADEへのサービス統合に向けた商品ラインアップの整理と考えるのが最も合理的である。
保有者にとって最大の注意点は、期限後まで保有したままにすると、BITPOINTが2026年11月中を目安に市場価格で売却し、日本円へ換金することである。売却時期を自分で選べず、暗号資産の売却損益も発生し得るため、売却か出金かを早めに決める必要がある。
特にOSHIは、公告時点で他の国内暗号資産交換業者による取扱いがない。OSHIだけは単なる取引所移管ではなく、日本国内における円建て売買経路の消滅に近い影響を受ける。
結論
今回の6銘柄廃止は、個々の暗号資産に対する一斉の否定評価というより、BITPOINTをVCTRADEへ統合するための銘柄整理である。
BITPOINTの口座と預かり資産は、2026年12月末頃を目途にVCTRADEへ移管される予定である。一方、今回廃止される6銘柄は現在のVCTRADEの取扱銘柄に含まれていない。
したがって、運営会社は次の二つの選択肢のうち、後者を選んだと考えられる。
- VCTRADE側に6銘柄の取引・カストディー・入出金機能を新設する
- 統合前に6銘柄を廃止し、VCTRADEの商品体系へ一本化する
公式発表は銘柄別の廃止理由を説明していないが、SBI側は合併の目的として、グループ内経営資源の集中、業務効率化、収益力強化を挙げている。
何が廃止されるのか
取扱廃止の対象は次の6銘柄である。
| 銘柄 | 正式名称・性格 | VCTRADEでの取扱い | 国内の代替交換業者数 | 影響の大きさ |
|---|---|---|---|---|
| BNB | BNB Chainのネイティブ資産 | なし | 6社 | BITPOINT利用者への影響が中心 |
| DEP | DEAPcoin、PlayMining系ユーティリティートークン | なし | 2社 | 国内経路は残るが選択肢は少ない |
| JMY / JASMY | Jasmyのデータ活用・IoT関連トークン | なし | 2社 | 国内経路は残る |
| OSHI | OSHI3プロジェクトの推し活・ゲーム関連トークン | なし | 0社 | 国内での円建て売買経路が消滅 |
| PEPE | Ethereum系ミームトークン | なし | 7社 | 国内の代替経路は比較的多い |
| TRUMP | Solana系の政治テーマ・ミームトークン | なし | 3社 | 国内経路は残る |
国内の代替交換業者数は、2026年9月4日のBITPOINT公式公告に基づく。
なぜBNBまで廃止されるのか
BNBは、小規模で流動性の乏しい暗号資産ではない。BNB Chainのネイティブ資産であり、グローバル市場では主要暗号資産の一つである。
そのBNBまで廃止対象に入っていることは、今回の選定基準が単純な時価総額、知名度、プロジェクトの存続可能性ではないことを示している。
推測だが、運営会社は次のような要素を総合評価した可能性が高い。
- VCTRADE側で新たにカストディー・入出金機能を構築する費用
- ブロックチェーンごとのノード、ウォレット、秘密鍵管理の負担
- ハードフォークやネットワーク障害への継続対応
- 流動性供給、価格配信、マーケットメイクの維持費
- トラベルルールや送付先確認などのコンプライアンス負担
- サイバーセキュリティー監視と不正送金対策
- 銘柄ごとの売買高・スプレッド収益と運用費用の採算性
- 暗号資産の金融商品取引法への移行を見据えた審査・開示負担
BITPOINT公式は「今後のサービス提供方針を総合的に検討した結果、安定的なサービス提供の観点から廃止する」と説明しているだけであり、個別銘柄ごとの理由は公表していない。したがって、特定の銘柄に重大な欠陥や不正が見つかったと断定することはできない。
背景にあるBITPOINTとVCTRADEの統合
SBI VCトレードは2026年4月1日、ビットポイントジャパンを吸収合併した。当初はBITPOINTとVCTRADEの2ブランドを当面維持すると説明していたが、その後、BITPOINTの新規口座開設を終了し、2026年12月末頃を目途に口座と資産をVCTRADEへ移管する方針を示した。
今回の廃止対象6銘柄は、BITPOINTに存在する一方でVCTRADEには存在しない銘柄と一致する。この一致は、今回の措置が統合に伴う商品整理であるという判断を強く裏付ける。
これはBITPOINTが従来持っていた「国内で未上場のアルトコインを先行して扱う取引所」という特徴を弱め、VCTRADEの主要暗号資産、ステーブルコイン、ステーキング、法人向けサービスを中心とした事業モデルへ集約する動きとみられる。
サービス終了スケジュール
| 日時 | 終了・変更される内容 |
|---|---|
| 2026-09-04 | BNB・PEPE・TRUMPの出金サービス開始 |
| 2026-10-07 16:00 | BITPOINTでの6銘柄の購入終了 |
| 2026-10-07 16:00 | BITPOINT PROでの6銘柄の取扱終了 |
| 2026-10-07 16:00 | OSHI・JMYの入金受付終了 |
| 2026-10-28 13:00 | BITPOINTでの6銘柄の売却終了 |
| 2026-10-28 13:00 | 6銘柄の出金受付終了 |
| 2026-10-28 13:00 | 期末時価評価課税の適用除外サービスでの取扱終了 |
| 2026年11月中予定 | 残存資産をBITPOINTが市場売却し、日本円で口座へ付与 |
| 2026年12月末頃 | BITPOINT口座・預かり資産をVCTRADEへ移管予定 |
10月7日以降は、新規購入ができない一方で、10月28日までは売却または出金ができる「出口専用期間」となる。
この期間は買い需要が減る一方、BITPOINT内の売却希望が増える可能性がある。BITPOINT自身も、指定数量や金額によっては約定しない場合があると注意している。特に流動性の小さい銘柄では、スプレッド拡大、約定困難、不利な売却価格が発生する可能性がある。
保有者が選べる四つの対応
| 方法 | 長所 | 短所・注意点 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 10月28日までに自分で売却 | 売却時期を自分で選べる | 日本円化により損益が確定する | 保有を継続しない場合 |
| 他の国内交換業者へ出金 | 国内管理のまま保有・売買を継続できる | 受入ネットワーク、最低入金額、アドレス確認が必要 | 国内で保有を継続したい場合 |
| 自己管理ウォレットへ出金 | 取引所都合の上場廃止から資産を分離できる | 秘密鍵管理と将来の換金経路が必要 | 長期保有目的が明確な場合 |
| 何もしない | 手続きが不要 | BITPOINTが選ぶ時期・方法・価格で強制換金される | 原則として推奨しにくい |
海外取引所への送付も技術的な選択肢になり得るが、利用可能地域、本人確認、送金審査、規制、取引所の利用規約、将来の出金停止リスクを確認する必要がある。単に銘柄を扱っているという理由だけで、無登録事業者を利用するべきではない。
国内の移管候補
BITPOINTが公告で示した、2026年9月4日時点の他の国内暗号資産交換業者は次のとおりである。
| 銘柄 | 国内の取扱交換業者 |
|---|---|
| JMY | ビットトレード、Binance Japan |
| DEP | ビットトレード、オーケーコイン・ジャパン(OKJ) |
| BNB | bitbank、ビットトレード、FINX JCrypto、Binance Japan、オーケーコイン・ジャパン、マーキュリー |
| PEPE | bitFlyer、ビットトレード、FINX JCrypto、Binance Japan、Coincheck、オーケーコイン・ジャパン、メルコイン |
| TRUMP | ビットトレード、Binance Japan、オーケーコイン・ジャパン |
| OSHI | なし |
ただし、「交換業者がその銘柄を取り扱っている」ことと、「BITPOINTの出金ネットワークから直接入金できる」ことは同じではない。
移管前には必ず次の項目を確認する。
- 移管先で対象銘柄の入金サービスが現在有効か
- BITPOINTの出金ネットワークと移管先の入金ネットワークが一致するか
- アドレスに加えてメモやタグが必要か
- 移管先の最低入金数量を満たしているか
- 少額のテスト送金が可能か
- テスト送金の着金を確認してから残額を送る
同じ銘柄でも、異なるブロックチェーン上に複数の規格が存在する場合がある。ネットワークを誤ると、取引所側で反映されず、回収できない可能性がある。
最低出金数量
BITPOINTが公表している最低出金数量は次のとおりである。
| 銘柄 | 最低出金数量 |
|---|---|
| BNB | 0.005 BNB |
| DEP | 3,500 DEP |
| JMY | 1,000 JMY |
| OSHI | 100 OSHI |
| PEPE | 1,000,000 PEPE |
| TRUMP | 2 TRUMP |
BITPOINTは暗号資産の出金手数料を無料としている。ただし、最低数量未満の残高、出金制限、送付先登録後の待機期間などに注意が必要である。
出金は直前まで待たない方がよい
BITPOINTは2026年8月26日から、不正出金防止のため次の制限を導入している。
- 同時に申請できる出金件数に上限がある
- 新規登録した送付先には一定期間の出金制限がかかる
- 登録済み送付先のアドレスやメモを変更した場合も一定期間制限される
一定期間の具体的な長さは公式公告では公表されていない。このため、10月28日の直前に移管先を登録すると、期限までに出金できない可能性がある。
実務的には、9月中に移管先口座と入金アドレスを準備し、10月上旬までにテスト送金を完了するのが安全である。
OSHIは他の5銘柄と意味が違う
OSHIは今回の6銘柄の中で最も影響が大きい。
BITPOINT公式によれば、公告時点でOSHIを扱う他の国内暗号資産交換業者は存在しない。このため取扱廃止後は、国内で簡単に日本円へ売却する経路がなくなる。
想定される影響は次のとおりである。
- 国内の円建て価格形成が途絶える
- 国内投資家の新規購入経路がなくなる
- BITPOINT内で売却注文が集中する可能性がある
- スプレッド拡大や流動性低下が起きる可能性がある
- 自己管理ウォレットへ移しても将来の換金経路が限定される
- プロジェクトにとって国内利用者への導線が大幅に弱まる
長期保有の明確な理由と自己管理能力がある場合はウォレット移管も選択肢になる。一方、保有継続の理由が弱い場合には、流動性が残っている期間の売却を検討する方が実務的である。
これは投資助言ではなく、取得価格、保有数量、投資目的、損益状況によって適切な判断は変わる。
税務上の注意
日本円への売却により、暗号資産の売却損益が確定する。
国税庁は、暗号資産を売却または使用して生じた利益について、事業所得などの基因となる行為に付随する場合を除き、原則として雑所得に区分すると説明している。
したがって、次の取引は損益計算の対象になる可能性が高い。
- 10月28日までに利用者が自分で日本円へ売却する
- 他の暗号資産へ交換する
- 期限後にBITPOINTが市場売却し、日本円を口座へ付与する
一方、自分名義の他の取引所口座や自己管理ウォレットへの単純な移転は、通常、売却そのものではない。ただし、出金手数料を暗号資産で支払う場合、その手数料部分の扱いが問題になることがある。また、法人保有、期末時価評価課税、海外取引所利用では個別事情が加わる。
多額の売却、法人保有、取得価額が不明な場合は、税理士などの専門家に確認する必要がある。
今後3か月の5段階シナリオ分析
以下の出現確率は、公開情報に基づくCGTAの推定であり、BITPOINTやSBIによる公式予測ではない。
| シナリオ | 推定確率 | 想定される展開 | 保有者への影響 |
|---|---|---|---|
| S5 最良 | 15% | 出金・売却が円滑に進み、価格やスプレッドへの影響もほぼない | 希望価格・希望時期で対応できる |
| S4 良好 | 50% | 大半の利用者が他社移管または売却を完了し、限定的な混乱で統合が進む | 小さな事務負担にとどまる |
| S3 中立 | 23% | 10月に売却が集中し、一部銘柄でスプレッド拡大や約定遅延が起きる | 売却価格がやや不利になる |
| S2 悪化 | 10% | OSHI・DEPなどで流動性が急低下し、保有者が不利な価格で売却する | 損失拡大、移管先不足 |
| S1 最悪 | 2% | 出金申請集中、ネットワーク障害、送付先制限、期限超過が重なる | 強制換金や意図しない課税イベントが増える |
最も可能性が高いのはS4である。BNB・PEPE・TRUMP・JMY・DEPには国内の代替取引所が存在し、BITPOINTも出金経路を準備しているため、システム全体の重大障害に発展する可能性は低い。
ただし、OSHIは国内の代替取引所が存在しないため、銘柄単独ではS2寄りのリスクを持つ。
暗号資産業界への示唆
今回の出来事は、暗号資産市場全体に対する弱気シグナルというより、国内交換業者の競争軸が変化していることを示す。
これまで国内交換業者は、他社より早く新しい銘柄を上場することで顧客を獲得してきた。しかし、取扱銘柄が増えるほど、カストディー、流動性、ノード運用、ハードフォーク対応、サイバーセキュリティー、AML/CFT、トラベルルール、利用者説明の負担も増える。
さらに暗号資産が金融商品取引法の枠組みに入れば、事業者にはより強い内部管理、開示、広告審査、相場操縦防止、利益相反管理が求められる可能性がある。
この環境では、取引量の小さい銘柄を多数維持するより、主要暗号資産、ステーブルコイン、ステーキング、法人向けカストディー、Web3ウォレットなどへ経営資源を集中する方が合理的になる。
したがって今後、他の国内交換業者でも次の動きが増える可能性がある。
- 低流動性銘柄の定期的な見直し
- 合併・事業統合に伴う重複銘柄の整理
- 主要銘柄とステーブルコインへの集中
- 法人・機関投資家向けサービスの強化
- 銘柄数より、セキュリティーと資産運用機能を重視する競争
BWtake向け実務判断
対象銘柄を保有している場合、対応の優先順位は次のようになる。
- 保有数量と取得価格を確認する
- 売却するか保有を継続するかを決める
- 保有継続なら国内の移管先を決める
- 移管先の入金ネットワークを確認する
- 9月中に送付先アドレスをBITPOINTへ登録する
- 少額テスト送金を行う
- 10月上旬までを目安に本送金を完了する
- 売却・出金履歴と年間取引報告書を保存する
今回の期限は10月28日だが、新規送付先の出金制限や約定リスクを考えると、実質的な安全期限は10月上旬と考えた方がよい。
何もしない場合でも資産が直ちに消失するわけではない。しかし、11月中にBITPOINTが選んだタイミングで日本円へ換金するため、保有者自身が価格と税務上のタイミングを管理できなくなる。
CGTAの総合評価
今回の措置は、6銘柄に同一の技術的・信用上の問題が発生したことを意味しない。中心にあるのは、SBI VCトレードによるBITPOINT統合と、国内暗号資産事業の運営効率化である。
ただし、保有者の立場から見ると、企業側の合理的な統合であっても、売却価格、出金、税務、自己管理という負担が利用者側へ移転する。
特に重要なポイントは次の三つである。
- 6銘柄はVCTRADEへ自動移管されない
- 10月28日までに売却・出金しなければ11月中に日本円化される
- OSHIは国内の代替取引所がなく、他の5銘柄より構造的影響が大きい
今回の公告は、国内暗号資産市場が「多銘柄上場競争」から「統合、採算、規制対応、機関投資家対応」を重視する段階へ移行していることを示す象徴的な事例である。
出典・情報源
- BITPOINT「OSHI・JMY・DEP・BNB・PEPE・TRUMPの取扱廃止のお知らせ」
- SBI VCトレード「BITPOINTサービスからの口座・預かり資産移管について」
- BITPOINT「つみたてサービス終了のお知らせ」
- BITPOINT「暗号資産の入出金」
- BITPOINT「暗号資産の出金に関する制限について」
- SBI VCトレード「SBI VCトレード株式会社と株式会社ビットポイントジャパンの合併に関するお知らせ」
- 金融庁「暗号資産交換業者登録一覧」
- 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について」
留意事項
本稿は2026年9月4日時点の公開情報に基づく解説であり、個別の投資助言・税務助言ではない。取扱状況、入出金ネットワーク、最低数量、税制は変更される可能性があるため、実際の操作前に各事業者の最新情報を確認すること。多額の売却、法人保有、取得価額が不明な場合は、税理士などの専門家に確認する必要がある。