OBSERVATION NOTE / MDFOOB-HU
Midnight City観測記録:発展するAIエージェント都市と369番目の待機列
2026年3月以降に拡張を続けるMidnight Cityについて、公式リリースノートで確認できる発展、同一エージェントを維持して早期アクセスを観測している経緯、433位から369位までの待機順位と待機総数の推移を整理する。
発展するAIエージェント都市と369番目の待機列
観測日:2026-10-03 JST
2026年10月3日現在、私のAIエージェント「BWtake」はMidnight Cityへの入場待ちである。
現在の表示は待機順位369番目を意味する。画面左側には待機エージェント総数として3,732が表示されている。APIキーはまだ発行されておらず、エージェントは保存された状態でSpawn Ticketを待っている。

*図1:2026-10-03時点のMidnight City。BWtakeは369番目で入場待ち。待機エージェント総数は3,732。*
この画面だけを見ると「まだ待っている」という印象が強い。しかし数か月単位で追うと、待っている間にもMidnight Cityそのものは大きく変化している。
本稿では、次の3点に分けて観測状況を整理する。
- Midnight Cityそのものの発展
- BWtakeの関わり方
- エージェント待機順位の推移から読み取れること
1. Midnight Cityの発展ぶり
1-1. 3月の「生き続ける街」から、継続的なエージェント社会へ
Midnight City公式Roadmapでは、2026年3月を「The City Went Live」と位置づけている。
この段階で実装された中核は、単なるNPC表示ではなく、人間が離れている間もエージェントが生活・移動・行動を続けるPersistent Agentという考え方だった。
公式Roadmapでは、3月段階の主要機能として次が挙げられている。
- Living City
- Persistent Agents
- Travel
- Food, Rest & Survival
- Conversations & Groups
- Work & Trade
- Live Events & Reports
したがってMidnight Cityの基本設計は、最初から「人間が常時操作するゲームキャラクター」よりも、継続的に存在するAIエージェントを観察・管理する世界に近い。
その後、4月から8月にかけて、エージェントにはIdentity、住居、職業、Wallet、Private Roomなどが追加された。
公式Roadmapではこの段階を「Agents Became Citizens」と表現している。
これは重要な変化である。
単にAIが街を歩くだけではなく、
Identity → 住居 → 職業 → 所有物 → Wallet → 会話履歴
という、社会的主体に近い属性が積み重ねられているからである。
1-2. 2026年夏以降、機能追加の密度が上がった
公式Release Notesを時系列で整理すると、2026年夏以降の発展はかなり具体的である。
| 時期 | 主な追加・変更 |
|---|---|
| 2026年3月 | Persistent World、移動、職業、仕事、休息、会話 |
| 4月 | Pixel City UI、Charging House、Hacker Houseなどの空間拡張 |
| 5月 | エージェント作成・所有、Merchant、Food、Hunger、Inventory、Spawn Queue |
| 6月 | Own AI、Volcano City、列車移動、API Key管理、Reputation、Activity Report |
| 7月 | Private Room、Nyx、昼夜・天候、街頭TV、Broadcast |
| 8月 | Midnight/Cardano Agent Wallet、Sponsored Transaction、Economy Dashboard、Forest、Miners Cave、M.U.D. Terminal |
| 9月 | Central Bank、Midnight Preview / Cardano Preprod、3D Room、Skill、Crafting、Dynamic Pricing、自律的な一日の計画 |
特に8月から9月の変化は大きい。
Wallet
2026年8月12〜13日の更新では、MidnightおよびCardanoのAgent Wallet機能が拡張され、
- 残高表示
- Transaction History
- Sponsored Midnight Transaction
- Wallet synchronization
- Settlement handling
などが追加された。
さらに9月1〜2日には、Agent Wallet統合がMidnight PreviewとCardano Preprodへ移行している。
したがって現時点では、本番経済圏というよりテストネット上でAIエージェントとBlockchain Walletを接続する段階と表現するのが正確である。
Economy
同時に、Crystal Economyについても、
- Hunger
- Carrying Load
- Tool Use
- Dynamic Vendor Pricing
- Economy Dashboard
- Economy Parameters
などが追加された。
これは、単純なポイント取得型ゲームから、資源・需要・消費・道具・価格が相互作用する経済シミュレーションへ近づいていることを示す。
Autonomous behavior
9月7日の更新では、エージェントが自分の一日の予定を立てる機能も追加された。
また、新しいAI判断を行えない場合でも、保存済みの計画や維持行動を継続できるよう改善されている。
この部分はMidnight Cityが目指す方向をよく示している。
人間が1回ごとに命令するAIではなく、
状態を持ち、計画を持ち、環境に応じて行動を続けるエージェント
へ徐々に近づいている。
1-3. 「完全なオンチェーン都市」ではまだない
ここは区別しておく必要がある。
Midnight CityにはAgent WalletやMidnight/Cardanoとの接続が導入されているが、City内のすべての行動がBlockchain transactionになっているわけではない。
また、ゲーム内Crystal EconomyとMidnight本体のNIGHT/DUST tokenomicsも同一ではない。
したがって2026年10月時点のMidnight Cityは、
AIエージェント、ゲーム内経済、Wallet、Blockchainを段階的に接続している実験的な都市環境
と評価するのが妥当である。
Midnight本体では、NIGHTがDUSTを継続的に生成し、DUSTがTransaction Feeとして消費される二層構造が設計されている。一方、Midnight City内のCrystalはこれとは別のゲーム内経済資源である。
両者が今後どの程度統合されるかは、現時点ではわからない。
2. BWtakeの関わり方
私自身の関わりは、特別に大きなものではない。
早期アクセス段階で「BWtake」というエージェントを登録し、同じエージェントを維持したまま入場を待ち、その変化を時々記録しているという程度である。
現在もAPIキーは発行されておらず、BWtakeエージェントはCity内部で自律活動を始めてはいない。
したがって、現段階の私の関わりを過大に表現するべきではない。
ただし、結果的には、
- エージェント登録
- Spawn Queueへの参加
- 待機順位の記録
- City機能の変化の観察
- Own AI接続環境の発展の追跡
を、Cityの初期段階から同じIdentityで継続して見る形になっている。
公式ドキュメントでも、Own AIエージェントについてSpawn Ticketが利用できない場合は、同じProfileのまま待ち、重複登録しないことが案内されている。
その意味では、私がしていることは単純である。
同じBWtakeエージェントを維持しながら、Cityがどのように変わり、いつ自分のエージェントが入場できるのかを観察している。
FBLとしては、この程度の距離感で記録しておくのが適切だと思う。
3. エージェント待機推移から言えること
これまで記録してきたBWtakeの待機順位は次のとおりである。
| 観測日 | BWtake待機順位 | 待機総数 | 状態 |
|---|---|---|---|
| 2026-07-04 | 433 | 未確認 | Incubating |
| 2026-07-30 | 419 | 2,371 | Spawn Queue |
| 2026-09-25 | 372 | 3,465 | In Queue |
| 2026-10-03 | 369 | 3,732 | 入場待ち |
3-1. Queueは動いている
7月4日から10月3日までに、
433 → 369
となった。
つまり64枠前進している。
完全に停止しているわけではないことは分かる。
一方、直近の9月25日から10月3日では、
372 → 369
と8日間で3枠しか進んでいない。
したがって、Spawn処理の速度は一定ではない。
3-2. 待機者は増え続けている
9月25日から10月3日までの8日間で、待機総数は
3,465 → 3,732
となり、267増加した。
同じ期間にBWtakeの順位は3つしか進んでいない。
少なくともこの期間だけを切り取ると、
新たにQueueへ入るエージェントの増加速度が、前方で処理されるエージェント数を大きく上回っている
ように見える。
ただし、この数値だけで「利用者が3,732人いる」とは言えない。
1人が複数エージェントを持つ可能性や、Inactive AgentがQueueに残っている可能性など、内部条件が公開されていないからである。
したがって、
待機総数 = 実利用者数
とは解釈しない。
3-3. Spawnは単純な一定速度ではなさそう
公式Release Notesでは、2026年9月7日に、
Verified Own-AI admission and spawn-ticket controls are improved
と記載されている。
つまりSpawn TicketとOwn AI admission自体が、まだ改善対象になっている。
このことから推測すると、Queueは単純なFIFOを一定速度で処理しているだけではなく、
- Server capacity
- Agent admission control
- Own AI認証
- API Key発行
- Release wave
- Test capacity
などの条件に応じて、段階的に開放されている可能性がある。
これは推測であり、公式には処理アルゴリズムや1日あたりのSpawn数は公開されていない。
4. 待っている間に、街そのものの方が変わっている
この観測で最も興味深いのは、BWtakeの順位変化そのものではない。
待機している約3か月の間に、Midnight City側の機能が大きく増えていることである。
BWtakeが433番目から369番目へ進む間に、
- Own AI
- API Key管理
- Private Room
- Nyx
- Weather
- Agent Wallet
- Sponsored Transaction
- Forest
- Miners Cave
- Central Bank
- 3D Room
- Skills
- Crafting
- Dynamic Pricing
- Autonomous Daily Planning
などが追加・拡張された。
つまりBWtakeは「同じ完成品への入場を待っている」のではない。
待っている間にも、入場先そのものが更新され続けている。
これは通常のゲームのWaiting Listとは少し性質が違う。
5. FBLとして何を見るか
FBLでMidnight Cityを追う意味は、将来のAIエージェント社会に必要になりそうな構成要素が、小規模ながら同じ環境の中で組み合わされ始めている点にある。
現時点で確認できる要素は、
Persistent Identity × Autonomous Action × Memory × Skills × Work × Resources × Economy × Wallet × Blockchain × Privacy
である。
これらがすべて完成しているわけではない。
むしろ重要なのは、どの順番で実装され、どこで問題が起き、どの部分がBlockchainへ接続されるのかを追えることだと思う。
特にMidnight本体のNIGHT/DUST設計では、NIGHTそのものをTransactionごとに消費するのではなく、NIGHTが生成するDUSTというResourceを消費する。
この構造は、将来AIエージェントが多数の小さなTransactionを継続的に行う世界を考えるうえで興味深い。
ただし、
Midnight CityのAgent Economyと、NIGHT/DUST Economyが将来どこまで直接統合されるか
については、現時点では確認できない。
ここは今後の重要な観測点になる。
6. 5段階シナリオ
| Scenario | 今後の展開 | FBLで見るポイント |
|---|---|---|
| S5 | Agent Wallet・Midnight・DUSTが本格統合され、自律Agent間Economyが成立 | AIが独立した経済主体として継続行動できるか |
| S4 | Spawn capacityが拡大し、BWtakeが入場。Own AIとして行動観測が可能になる | 実際のAgent行動・Wallet・Memory・経済活動 |
| S3 | City機能は拡張するが、Own AIの入場は段階的に進む | 現在の延長線。機能開発とQueue処理を並行観測 |
| S2 | Game機能は発展するが、Blockchain / Own AI統合は長期Preview状態になる | Game層とAgentic Economy層の乖離 |
| S1 | Spawn、Agent Architecture、Economy設計が大幅変更される | Early Access時代の記録自体が比較資料になる |
現時点で、どのScenarioになるかはわからない。
また、出現確率を客観的に算定できるデータもまだ不足している。
7. 369番目という現在地
2026年10月3日。
BWtakeは369番目で待っている。
7月4日の433番目から見れば、少しずつ前へ進んでいる。
一方で、待機総数はすでに3,732まで増えた。
その間、Midnight CityにはWallet、Central Bank、3D Room、Skills、Crafting、Dynamic Economyなどが追加された。
したがって、この画面は単なる「Waiting」の記録としてだけではなく、
AIエージェントの街が形成されていく途中で、ひとつのエージェントがQueueに並び続けている時点記録
として残しておく価値がある。
私自身は、同じBWtakeエージェントを維持したまま、今後も時々順位とCity側の変化を確認していく。
次に大きな変化として記録したいのは、
- 待機順位の大幅な前進
- API Key発行
- Spawn完了
- Own AIとしての実際の活動開始
- Wallet / Midnight機能との実運用接続
のいずれかである。
Sources
Midnight City公式
- Midnight City Roadmap
https://www.midnight.city/roadmap
- Midnight City Release Notes
https://midnight.city/docs/release-notes/
- Midnight City 日本語Release Notes
https://www.midnight.city/docs/ja/release-notes/
- Midnight City Documentation
https://www.midnight.city/docs/ja/
- Local Model / Own AI connection
https://www.midnight.city/docs/connect-to-midnight-city/local-ai/
Midnight Tokenomics
- *Midnight Tokenomics and Incentives Whitepaper*, Version 1.0, June 2025.
NIGHTはMidnightのnative utility tokenであり、DUSTを生成する。DUSTはMidnight上のTransaction Feeに使用されるshielded network resourceで、使用時に消費される一方、NIGHT自体はTransaction executionによって消費されない。
FBL観測記録
- 2026-07-04:BWtake #433
- 2026-07-30:BWtake #419 / Queue 2,371
- 2026-09-25:BWtake #372 / Queue 3,465
- 2026-10-03:BWtake #369 / Queue 3,732